倉金家ホームページ趣味の部屋/サーバー構築メモ その2
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今までサーバーのOSにはVine Linuxを使用してきました。
10年ほど昔、私がLinuxをいじり始めた当時、Linuxの日本語化はまだ充分とは言えない中で、(商用のを除けば)VineLinuxだけが唯一まともに日本語を扱えるディストリビューションでした。 以来ずっとVineLinuxにお世話になってきました。 しかし今は多くのLinuxが充分日本語化され、当時のVineLinuxよりもまともに日本語を扱えるのではと思われます。もちろんその間にVineLinuxもさらに細部に至るまで日本語化は進んでおり、特にマニュアルがかなり日本語化されているのでたいへん助かっていますが、日本語がちゃんと扱えるという点ではVineLinuxにこだわる必要はなくなりました。 で、今回はとにかくサーバーとしてですので「安定に動作すること」を主眼にOSを選びなおすこととし、いくつかを試してみます。 | ||||||||
Ubuntu:失敗!実はいつも使っているノートパソコンSONY VAIO PCG-FX99V/BP(メモリは1GBに増設)にはWindowsのほかにUbuntuというLinuxもインストールして使っています。快調に動いています。これはデスクトップ版ですが、Ubuntuにはサーバー版もあるのでサーバー版の方をインストールしてみます。
Ubuntuのサイトからサーバー版をダウンロードしてCDに焼き、インストール開始。 インストーラーが立ち上がりました。…うっ、古い!ずーっと昔のテキストインストーラーです。キーボードの選択ではわけのわからないキーボード名がずらずら並んでいます。ほかのOSではみな日本語キーボードが自動選択されているのに。しかも適当なのがありません。しかたないのでPC98NXシリーズを選択、インストールを続けます。 それにしてもデスクトップ版とはえらい違いです。 Ubuntuさんはあまりサーバーには力を入れていないな! ディスクはちゃんとRAIDで認識されています。ディスクパーテーションを手動で設定。
ためしにデスクトップ版でもやってみましたがやはり同様にパーテーション作成に失敗しました。 このマシンのRAIDとは相性がわるいのかと思い即座にあきらめ。 ハードウエアと相性の悪いのを選んでしまうとあとあとすごく苦労しますから。 (追記) しばらくして/homeを別パーテーションにするとインストーラーのバグでこけるという情報を見つけましたが、/homeを別パーテーションにするのは譲れませんので、再度試す気もありませんでした。 | ||||||||
CentOS:Good!今度はサーバー用Linuxとして定評の高いCentOSを試してみます。
雑誌の付録についていたDVDからCentOS5.4をインストール。 RAIDもちゃんと認識され、パーテーション作成も問題なし、すべてすんなりと何の問題もなくインストールされちゃいました。 さっそく使ってみます。 スピードも速い!表示もきれい!GNOME、KDEどちらのデスクトップも問題なし。エラーも既知のバグによるもの以外はなさそうです。 サーバーツールもドキュメントもほぼ完備しています。 現在CentOSは5.5が出ていますのでソフトウェアアップデータを使ってアップグレードしてみます。 すんなりアップグレード完了。 ただこのとき、パッケージ名を見ていてすべてi386になっているのに気がつきました。そうか、雑誌の付録はどんなパソコンでも動くようにi386版なんだ。このパソコンならx86_64版でもいいんだよ。 というわけで、しばらく使ってみて今度はx86_64版をインストールしてみましょう。 どうせ再インストールするのだからと3日ほどいじくりまわして使い倒した後、x86_64版をインストール。(本番前に充分いじくりまわしておくというのがとても重要です。) CDやDVDを焼くのも面倒なので今度はネットワークインストール。 インストーラーだけをダウンロードしてCDに焼きます。 ftp://ftp.riken.jp/Linux/centos/5.5/isos/x86_64/からCentOS-5.5-x86_64-netinstall.isoをダウンロードし、CD-R/Wにiso焼き。10MBほどなのですぐ。 このCDでインストーラを起動したらInstall MethodにFTPを指定。 FTP Setupで、 FTP site name: ftp.riken.jp CentOS directory: /Linux/centos/5.5/os/x86_64 あとは従来どおりでインストールを開始して寝ます。 朝になったらちゃんとインストールされていました。 x86_64版をいじってみます。 i386版に比べて早くなるかなと思ったけど、ほとんど変わらない気がします。。 あと気になるのが、x68_64系のパッケージに加えi386系のパッケージも、物によっては両方入っています。依存関係で導入されてしまうらしいのですが、どちらが動くかわからないのでなんだか不安です。 検索してみるとメモリーをよけい食うとか、場合によってはかえって遅くなるとか、あまりメリットはなさそうなので使うならi386版にしようかと思っています。 | ||||||||
Vine Linux:残念ながらあきらめ!最後はVine Linuxです。
Vine Linuxを最後にしたのは今まで使いなれているからうまくインストールできたらそのまま使ってしまおうという魂胆です。 ver5.1のisoイメージをダウンロードしてCD-R/Wにiso焼きし、起動。 isolinux: disk error 20, AX=.... が出てしまいました。 CD-R/Wがちゃんと焼けていません。古くなってCDドライブのレーザーパワーが落ちてきたか、1枚きりのCD-R/Wを何度も使い回しているせいかでしょう。 スピードを落として簡易消去ではなくFull Eraseしてから焼き直し。今度はOK。 インストールを進めてディスクパーテーション設定の段階になって、あれっ? RAID Deviceが認識されていません。 代わりに個々の2台のドライブとして認識されてしまっています。 RAIDを解除して160MB(80MB×2)のHDDとして使うかソフトウェアRAIDを組むかとも考えましたが、せっかくのPCのRAID機能はそのまま使いたい。 ということで、今回Vine Linuxは涙を呑んであきらめ。 | ||||||||
結局CentOS!結論としてはCentOS、それもi386版を使うこととし、雑誌のDVDから再インストールしてソフトウェアアップデータで5.5にアップグレードしました。
CentOSはおそらくあと半年くらいでCentOS6が出ると思います。 でもいったんサーバーを稼動し始めたらアップデートに伴う停止リスクや手間を回避するため、おそらくこのままCentOS5を使い続けることになるでしょう。(6に新規インストールでなくアップグレードしてまともに動くとは思われない。) それに充分安定した少し古いバージョンの方がサーバーには向いているというのが今までやってきた実感です。ごく最近実装された最新テクノロジーや機能などはまず使いませんし。 | ||||||||
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